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現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

うつ病スクリーニングツールの精度研究に潜む患者バイアスの危険性

うつ病スクリーニングの診断精度研究には、被験者として、すでにうつ病と診断された患者やうつ病治療中の患者がほとんど除外されずに含まれていて、それら被験者バイアスが診断精度研究に与える影響が、システマティックレビューやメタ解析では評価されていないことが明らかにされました(BMJ 2011 Aug 18;343:d4825. doi: 10.1136/bmj.d4825.)。

これは分かりやすくいえば、うつ病スクリーニングの検査が過大評価されているということになります。つまり、うつ病と診断されやすくなるということです。これこそ「病気づくり」のからくりの一部なのです。

論文の詳細はコチラ

→研究グループは、うつ病スクリーニングツールの診断精度に関するシステマティックレビューとメタ解析に含まれるオリジナル研究について、すでにうつ病と診断を受け治療中の患者を適切に除外している割合と、システマティックレビューとメタ解析が、そうした患者からのバイアスの可能性を評価しているかどうかを調べた。

Medline、PsycINFO、CINAHL、Embase、ISI、SCOPUS、Cochraneをデータベースとし、2005年1月1日〜2009年10月29日の間を検索対象とした。試験適格基準は、うつ病スクリーニングツールの診断精度について報告したものとし、言語は問わなかった。

17のシステマティックレビューとメタアナリシスから抽出した特色のある197本のうち、うつ病と診断されたか、またはうつ病治療中の患者を明確に除外したものは、わずか8本(4%)だけだった。

システマティックレビューやメタ解析で、そのような患者が含まれているかを評価しているものはなかった。患者サンプルからバイアスのリスクを評価する項目を備えた質評価ツールを使用していたのは10本のレビューだけであった。

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