現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。
抗うつ剤の医学的根拠は薄弱(1)
抗うつ薬については以前から、出版バイアスがあることが指摘されています。
[● Melander H, Ahlqvist-Rastad J, Meijer G, Beermann B. Evidence b(i)ased medicine—selective reporting from studies sponsored by pharmaceutical industry: review of studies in new drug applications. BMJ 2003; 326: 1171-3.
●Turner EH, Matthews AM, Linardatos E, Tell RA, Rosenthal R. Selective publication of antidepressant trials and its influence on apparent efficacy. New Engl J Med 2008; 358: 252-60.etc]、
そのため客観的な評価を阻害する要因となってきました。
出版バイアスとは、試験の結果が試験実施者や資金提供者にとって都合の良かった場合は出版されやすく、都合が悪かった場合は出版されにくいというバイアスのことです。
企業やそのコンサルタント契約を結んでいる精神科医や薬理学者にとって、都合の悪いデータ(例えば、抗うつ剤SSRIによるアカシジア、自他殺などの衝動、焦燥感などの重大な副作用)は隠蔽されることになります。結果的に都合の良い結果だけが周知されやすくなってしまいます。
この辺りの事情は、、『ビックファーマ』(マーシャ・エンジエル、篠原出版)、 『抗うつ剤の功罪』(ディヴィット・ヒーリー、みすず書房)、『暴走するクスリ・抗うつ剤と善意の陰謀』(チャールズ・メダワー、NPOJP)に詳しく記載されていますので、参考にされてください。
抗うつ剤の医学的根拠は薄弱(1)