現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。
うつ病の外来診療ガイドライン(2007)
診断
- うつ病の代表的な症状:(1)抑うつ気分、(2)興味または喜びの減退、(3)体重減少、あるいは体重増加、(4)不眠または睡眠過多、(5)精神運動性の焦燥または制止、(6)易疲労感または気力の減退、(7)無価値感または過剰であるか不適切な罪責感、(8)思考力や集中力の減退、 (9)死についての反復思考。
- 上記9項目のうち5項目以上が存在すること。(1)抑うつ気分もしくは(2)興味・喜びの減退のうちどちらかが存在すること。
- これらの症状が最低2週間続いていること。
- うつ状態はうつ病以外にもいろいろな病気によって引き起こされる場合があるので、その鑑別が必要。
- うつ症状によって臨床的に著しい苦痛を生じているか、社会的な機能の障害を引き起こしていること。
- DSM-IV-TRにおいては上記を満たす場合、大うつ病性エピソードと診断。
治療
- 1種類の抗うつ薬にて投与を開始し、寛解に至ることを目標に投与量の設定をする。可能な限り最小治療用量から開始し、寛解に至るまで、承認された治療用量の上限まで増量する。
- 第1選択薬は、SSRI(塩酸パロキセチン水和物〈パキシル?〉、マレイン酸フルボキサミン〈ルボックス?、デプロメール?〉)、SNRI(塩酸ミルナシプラン〈トレドミン?〉)。
- 抗うつ薬の投与初期は、効果が現れるまでの間、抗不安薬を併用することが望ましい。併用期間は最大4週間を目安とする。
- 寛解後は、再発・再燃防止のため、急性期と同じ投与量にて、少なくとも6カ月以上継続して投与することが望ましい。
- 本人と家族に対して、うつ病の症状、治療、予後などを説明して、休養できる環境を整える。
うつ病の外来診療ガイドライン(2007)