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現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

うつ病の医学ニュース(19)

セロトニン受容体数が抗うつ薬治療に影響

抗うつ薬を処方しても患者の約半数で症状の改善が得られないとされています。この原因は、脳の中枢におけるセロトニン1A(5-HT1A)受容体の過剰であると発表されました(Neuron(2010; 65: 40-52))。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)をはじめとする抗うつ薬の大半は、セロトニンの量を増やすことにより効果を発揮します。セロトニンは脳幹正中部にある縫線核ニューロンと呼ばれる神経細胞が産生します。

しかし、縫線核ニューロンに過剰な数の5-HT1A受容体がある場合、 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)をはじめとする抗うつ薬の服用は、ネガティブフィードバックが働いて、セロトニンの産生が逆に減少してしまうようです。

今回、モデルマウスを用いて受容体数と抗うつ薬の治療効果との因果関係を検証しています。抗うつ薬の効果を判定するために、明るい開放された場所から食物を取ってくる際のマウスの大胆さを測定する一般的な行動テストを行いました。

その結果、抗うつ薬を投与されているマウスは通常だと大胆になりますが、5-HT1A受容体数を過剰に発現しているマウスでは そうした効果は認められなかったという結果が得られました。

また同モデルマウスでは、抗うつ薬がセロトニンの産生を増やそうとすればするほど縫線核ニューロンが産生するセロトニンの量は減ってしまい、マウ スの動きに変化は現れないことも明らかになりました。

うつ病患者を対象とした最近の遺伝学的および画像研究では、縫線核ニューロンに存在する5-HT1A受容体数の増加と治療無効との関連性が示唆されています。

過剰な5-HT1A受容体が果たす役割をヒトで確認しなければならないため、現在、臨床試験に登録したうつ病患者さんを観察し、受容体数によって抗うつ薬に対する反応を予測できるか否かを検討しているということです。この研究からも、単純に減少したものを補う(SSRIなどの抗うつ薬の投与)という現代医療の発想では、うまくいかない事が多く、長期的戦略としては間違っていることが分かります。

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