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現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

うつ病の医学ニュース(33)

抗うつ薬と頸動脈の厚さの増大が関連

抗うつ薬を服用している男性は、心臓発作や脳卒中の発症をもたらすアテローム性動脈硬化症のリスクを高める可能性のあることが米国心臓病学会(ACC)年次集会で報告されました。

ベトナム時代双生児登録(Vietnam Era Twin Registry)から中年男性双生児513例のデータを収集。被験者の16%が抗うつ薬を服用しており、その60%が選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)を、またそれ以外はより古い抗うつ薬を服用していました。

抗うつ薬が血管に及ぼす影響を検討するために、頸動脈の厚さ(頸動脈内膜 中膜厚)を測定した結果、抗うつ薬を服用している一方の兄弟は服用していないもう一方の兄弟に比べて肥厚が大きかった。服用した抗うつ薬による違いはみられず、またうつ病自体と頸動脈肥厚との関連は認められなかったようです。

年齢や糖尿病、血圧、喫煙歴、コレステロール、体重などの因子について調整後もこの状態は同じでした。

この原因として、抗うつ薬によってもたらされるセロトニンやノルエピネフリンなどの脳内化学物質濃度の上昇が血管を硬くし、臓器への血流量の低下、動脈硬化症の危険因子である血圧の上昇につながるとみています。

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