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現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

うつ病の医学ニュース(40)

うつ病を併発する糖尿病患者は認知症リスクが高い

糖尿病が認知症のリスクファクター(危険因子)であることは長く知られています。糖尿病を有するだけでも認知症リスクは2倍となります。一方、認知症ではうつ病が多く併発します。糖尿病患者の約20%がうつ病です。

2型糖尿病患者がうつ病を併発している場合、認知症の発症リスクが著しく高いことが新しい研究で示されました(Archives of General Psychiatryオンライン版12月5日)。2型糖尿病患者がうつ病の診断を受けた3〜5年後に認知症となるリスクは、 非うつ病患者に比べて2倍であるという結果でした。

今回の研究は、米カリフォルニア州在住の糖尿病患者1万9,000人強(30〜50歳)を対象としたもの。5人に1人が「臨床的に有意な」うつ病を経験していました。3〜5年間にわたり認知症の発症を調べたところ、糖尿病およびうつ病を併発する場合、アルツハイマー病などの認知症の病態を1つ以上発症する割合は 2%強でした。一方、糖尿病だけの場合には認知症発症率は1%でした。

これはうつ病―糖尿病―認知症の発症過程が同じ原因によるものであることの傍証となります。つまり、慢性炎症がこれらの慢性疾患に深く関与していることの傍証です。

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