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現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。

うつ病の医学ニュース(44)

妊娠後期のSSRI使用で新生児遷延性肺高血圧症のリスクが2倍以上に

妊娠後期の抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用によって新生児の遷延性肺高血圧症のリスクが2倍以上高くなることが発表されました(BMJ 2月4日号)。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬が胎児に及ぼす影響が報告された貴重な論文です。

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→妊娠中のSSRIの使用が新生児遷延性肺高血圧症のリスクを高めるかどうか,また,その影響はSSRIの中でも薬剤によって異なるかどうかを検討した。対象は1996〜2007年にデンマーク,フィンランド,ノルウェー,スウェーデン,アイスランドの5カ国で妊娠33週以降に生まれた160万例以上であった。

約3万例の女性が妊娠中にSSRIを使用し,うち1万1,014例が妊娠20週以降にSSRIを使用していた。解析の結果,妊娠後期のSSRI使用は新生児の遷延性肺高血圧症のリスク上昇と関係し,1,000例当たりの発症はSSRI非使用群の1.2例に対し3例と有意に多かった〔補正済みオッズ比(OR)2.1,95%信頼区間(CI)1.5〜3.0〕。

遷延性肺高血圧症のリスクはSSRIの薬剤別(セルトラリン,パロキセチン,fluoxetine,citalopram)で明らかな差はなく,クラスエフェクトと考えられた。

妊娠8週までのSSRI使用は妊娠後期と比べて低いものの,遷延性肺高血圧症のリスクと関係していた(OR 1.4,95%CI 1.0〜2.0)。

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