現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。
うつ病の医学ニュース(49)
増加する青年期うつ病、早期発見へ
うつ病の評価尺度としてベック抑うつ評価尺度(BDI)が汎用されていますが、青年期のうつ病の早期発見に有効かどうかは明らかになっていません。今回、BDI-Second Edition(BDI-II)やBDI -Fast Screen(BDI-FS)が青年期うつ病の早期発見に有効かどうかについて検討を行っています(Psychother Psychosom Med Psycholオンライン版2012年6月21日)。以下に要約いたします。
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→小児科および小児外科クリニックを受診している13〜16歳の患者314例のうち5.7%が小児の心理状態診断検査(Kinder-DIPS)にて大うつ病であった。ROC曲線により、ACUや最適なカットオフ値を算出した。
主な結果は以下のとおり。
- BDI-IIの有用性が示された(AUC=0.93、感受性:0.86、特異性:0.93、最適なカットオフ値:19以上)。
- BDI-FSの有用性についてもBDI-IIと有意差は認められなかった(AUC=0.92、感受性:0.81、特異性:0.90)。
- 小児医療における青年期うつ病の早期発見のために、初めてドイツ版BDI-IIとBDI-FS(7項目)のカットオフ値を提示した。
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