現役医師であり統合医療の第一人者である崎谷医師が、うつ病の症状・原因・治療に悩む方に対して情報を発信しています。
うつ病の治療P.7
米精神医学会、うつ病の治療ガイドラインを約10年ぶりに改定
米国精神医学会(APA)が定める治療ガイドライン(GL)は1993年に作成され、2002年に第2版が発行されています。米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では約10人に1人がうつ病患者で、うち3割が重度の大うつとされます(日本は国自体がうつ病です。これは他国の人間の日本評です)。
米国精神医学会(APA)は、大うつ病性障害の治療ガイドライン(GL)第3版を2010年10月1日付で発行しました。約10年ぶりの改定。個別化医療をより重視した診断方針や、難治性患者に対する電気ショック療法などが推奨されました。
主な改定内容は、(1)治療の評価尺度(2)難治性の治療法(3)運動療法(4)維持療法−に関するもの。治療の評価尺度は、医師と患者のそれぞれの尺度をベースに病態を特定し、患者個人に最も適した治療を行うことが改めて推奨されました。
既存の抗うつ薬などが奏功しない難治性患者に対しては、電気けいれん療法(ECT)などの身体療法が推奨。ほか 経頭蓋磁気刺激法(TMS)、迷走神経刺激療法(VNS)、薬物療法ではモノアミンオキシダーゼ阻害剤が治療選択肢に挙げられました。
有酸素運動や筋力トレーニングを定期的に行う運動療法は、高齢者や糖尿病などの既往症がある患者でとくに臨床効果が高いとしています。
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